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2011.11.10 Thursday

Paris



10/30~11/7まで、仕事でパリに行って来ました。演奏は2日に分けてありましたが、通常通りというか無事終わったんですが、演奏のない日に観光に行ったり、ジャズクラブに行ったりして、いろいろ思ったことを書き綴ろうと思います。 共演した地元のベーシストに誘われて、演奏を聴きに行ったり飛び入りしたりしたんですが、どこも、ミュージックチャージがタダ。プロの演奏をタダで聴きながら、かなりお洒落な空間で酒が飲める。だから、どこのジャズバーも立ち見が出るくらい満員御礼。思えばニューオリンズのジャズバーはほとんどの店がタダだった。飲食代のみ。ただ、ニューオリンズの場合は、ミュージシャンのギャラはチップ制なので、ステージが1番盛り上がってきたところで投げ銭入れが回って来る。よって、チャージがタダとは言い切れない。パリの場合は、違った。チップの文化がないわけではないけれど、アメリカほど徹底されてはいなかった。でも、パリではミュージシャンのギャラはちゃんと店が保証している。いいライブを入れれば必然的に売り上げがあがる→ギャラも払える。音楽の教養のある人がどんどん増える。ニューオリンズにしてもパリにしても、客と生の音楽の距離が近いのは確かだと思う。それに引き換え、日本は人と、生の(本当にいい)音楽の距離が本当に遠く思える。ミュージシャンの質に限っていえば、日本も世界にひけをとらないと思う。ただ、その世界にひけをとらない素晴らしい日本のミュージシャンの演奏を聴くのには結構な金がかかるのは、やはりもったいない気がする。日本のどこのジャズバーに行っても、ミュージックチャージは大体は3000円前後はかかる場合が多い。それに、テーブルチャージに飲食代もあわせると、簡単に5000円はいってしまう。5000円の価値を分かってくれるお客さんももちろんいる。ただ、問題なのは、まだ5000円分の価値を知らない人が思い切って店のドアを開けるのが、どれだけ勇気のいることか。これが、ミュージックチャージタダの店ならば、思い切って入って、仮に演奏が気に入らなければ、1杯だけ飲んですぐ店を出ればいい。そして、もっと好みの演奏を求めて他の店へ行けばいい。そして、いろんな人の演奏を生で聴けば聴くほど、耳が肥えていく。そうして、より文化と人との距離が縮まり、民度も文化レベルもあがっていく。耳が肥えたら、本当に気に入った、いい演奏家の演奏だけ聴きにいけばいい。そのようなリスナーの割合が増えていけば、実力のないミュージシャンは辞めていかざるをえなくなるし、力のあるミュージシャンは生き残れる、健全な状態にすこし近づくかもしれない。日本では、 実力は世界の5本の指に入るであろうプレイヤーのある日のライブの客が1人だった、なんてことがある反面、全然うまくないのに、有名なアニメの音楽を担当したってだけでいつでも店を満員にできるミュージシャンがいる。 テレビに映ってるから凄いだとか、大きいホールでやるから凄いだとか、海外で演奏してるから凄いとか、CDを出せば凄いとか、そんな尺度でしか芸術を判断できない人が、少しずつでもいいから減っていくような構図を作れないものか。ただ、これは、原因を考えると、思いのほか深刻。 クラシック音楽が生まれたヨーロッパ。何故ヨーロッパからクラシックが生まれたのかをたぐると、街の作りと紀行が絡んで来る。街のほとんどは石で出来ていて、石と石の間に囲まれた空間でなおかつ湿度が低いと、音がよく響く。音がよく響くと、倍音が聴こえる。倍音が聴こえることにより、1オクターブを12音で分ける平均律が生まれる。そうするとどんどん音楽が膨らみ、発展していく。 それにひきかえ、日本は昔は、家が木造、そして湿度が高い。当然その環境の中では倍音は聴こえづらい。よって、西洋音楽が日本に入ってくるまで、平均律がなかった、までとは言わないにしても、実用レベルは西洋に比べ、大分出遅れていた。(これは平均律が最も優れている、と仮定で話を進めているけれども、そもそも個人的には文化自体には優劣はないと思っています。日本の和音階と平均律とインドの音階のどれが一番優れているか、という問いは愚問。) つまり、平均律をもとに作られる音楽に関しては、まず日本はスタートの時点で、西洋に出遅れていた、というのがまず考えられる原因のひとつ。それでも、グローバル化が進んで、日本のプレイヤーのレヴェルが、世界に追いついただけでも、御の字なのかもしれない。ただ、残念がなら、リスナーの平均のレベルはまだ達していない(もちろん恐ろしく耳が肥えてるリスナーもいるし、何にも例外はつきもの)。 もともと音楽との距離も、スタートの時点で出遅れてた。それで、さらに、日本のジャズバーの料金が高く、敷居が高い。高いのは何故か考えると、これがまたどうしようもない話だけど、地価が高い。テナント料が高い。店が狭い。極論、日本が狭い島国。狭い店なのにテナント料が以上に高い→チャージを高くするしかない→生演奏に興味があるけど入る勇気のない人がどんどん断念する→一向に耳が肥えない→歌は下手だけど美人なアイドル歌手が売れる→力のあるミュージシャンが苦しむ。。。。。。。。。。見事な負のスパイラル。 ヨーロッパでは平均律が生まれたけど、それがアメリカではそれを元に、ブルースが生まれた。ブルースがジャズに代わり、即興演奏を見事体系化した。ヨーロッパではクラシックを生んだけど、アメリカは、即興演奏を生んだ。どちらも、人と音楽の距離はとても狭い。そもそも距離なんてなく、生活と結びついている。日本が今後どうなるのか分からないけど、なんとかできないものかと悶々と日々悩んでいます。 話は変わりますが、パリのジャズはどうだったのかというと、それはそれはお洒落でした。パリは、道行く人がお洒落(ホームレスまでお洒落だったw)で、レストランもお洒落。人間的にもお洒落。そして演奏もお洒落。まるでフランス料理のように上品でした。ニューヨークは、何でもかんでも「Cool」で形容できたような気がします。ニューオリンズは、「Hot」な印象。快楽主義。音楽やってたらもう友達だぜ!的な。それで、どれが個人的に好きかと言われるとなかなか甲乙付けがたいですが、パリは、好きです。米は最悪にまずかったですけどw あと、尺八ウケは、ニューヨークよりニューオリンズより、日本より、断然パリがよかったです。 ところで、あとひとつ驚いた話があったんですが、フランスでは、ミュージシャンの税金が、なんと-100%。仮に、月30万ミュージシャンが稼いだとなると、確定申告の時期に、同じ額の金額をフランス政府がミュージシャンに払うらしい。収入が倍。とにかくフランスは、国家ぐるみで、ミュージシャン、芸術家を保護しているということです。もちろん、稼ぐ金が、ある一定のラインを超えると、国からの支給はなくなるらしいですが、そのボーダーは恐ろしく高い額で設定されてるので、まずそこに到達することはないらしいです。 どうりで、彫刻や絵画、音楽、どれもどんどん発展するわけです。おそらく昔からそうだったんじゃないかと思います。ルーブル美術館も行ってきましたが、あまりに凄過ぎる作品と規模も、納得がいくような気がします。
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